チタンの歴史
チタンという金属の存在を初めて発見したのは1791年、イギリス人のクレーガーによってでした。しかし、この時は「メナカメイト」と呼ばれていました。4年後の1795年、ドイツの化学者クロプロートがルチル鉱石の大部分がこれまでに知られていない全く新しいものであることを発見し、この金属をギリシャ神話のタイタンにちなんでチタン(TITAN)と名付けました。 しかしのちこの物質がおなじだとわかりチタンという名前で呼ばれるようになりました。
しかし、純正のチタンを取り出す事は難しく、取り出す事ができたのは1910年20世紀に入ってからでした。工業用品としてそれが利用できるようになるにはそれから30年の歳月を必要でした。
物理的性質
溶融点は1.668℃で高い(鉄よりやや上)
比重は4.5で軽い(鉄の約60%、アルミニウムの約1.7倍)
熱膨張係数は8.4×10(-6)/℃で小さい(18-8ステンレス鋼の約半分、アルミニウムの1/3)。
熱伝導率は0.041cal/cm2/sec/℃/cmで小さい(18-8ステンレス鋼とほぼ同じ)
電気抵抗は55μΩ-cmで大きい(18-8ステンレス鋼以外の純金属に比べて大きい)
透磁率は1.0001で非磁性体である。
結晶構造は変態点(885℃)以下では稠密六方格子で、変態点以上では体心立方格子である。
縦弾性係数は10.850Kg/mm2で小さい(鉄の約半分、アルミニウムの約1.5倍)。
軽くて!強くて!錆びない!
海水や薬品に浸かっても腐食されず、しかも軽くて強いその特性を活かし、自動車や飛行機、はたまたロケットの部品にまで使われちゃうチタンは、普段は酸化チタン(TiO2)という酸化物の状態で地球上にはたくさんあるって知ってました?
金属元素の中ではアルミニウム、鉄、マグネシウムに次いで4番目に埋蔵量が多いんです。
ちなみに、埋蔵量は銅の約40倍はあるそうです!
金属アレルギーを起こしにくい!
金属アレルギーは、肌につけた金属から金属イオンが汗や皮脂に溶け出し、
皮膚から吸収されて抗原抗体反応を起こすことです。
ですから、アクセサリーだけでなく腕時計、メガネフレーム、歯の詰め物でも起こります。
でもチタンは熱や薬品に強くおかされない=イオンが溶け出さないので、
アレルギーを起こしにくいというわけです。医療器具にも多く使われる理由はそこあるわけです。
ちなみに、二酸化チタンは古くから女性のお化粧品(白粉や日焼け止めクリーム)に使われていたんですよ。女性の大事なお肌にぬるわけですから、それだけお肌にやさしいってことです!
雑誌「日経ヘルス」でも金属アレルギーをおこしにくいチタンと紹介されてました。
チタンの将来性
チタンは軽くて強く耐食性に富み、加工性にも優れた素材であると共に、最近では発色特性による装飾性、人体組織への無害性が注目され、環境にも優しい21世紀の素材として脚光をあびています。これからも開発が行われいろいろなものが作られていくことでしょう